最も大切なのは休養
うつ病治療の方法はどんなものがあるか
うつ病は誰でもなり得る身近な疾病ですが、時には死に至るおそれもあり、軽視してはいけません。うつ病になってしまったら、自然に治癒することは少なく、専門家による治療が欠かせないでしょう。一般によく知られているうつ病の治癒方法として、薬物療法が挙げられます。脳内物質の分泌量を調整する薬物を服用する療法が主流で、服薬することにより患者は不安が解消し情緒が安定する効果があると言われています。また、行動療法もうつ病の治療方法の1つとして注目されています。行動療法は認知行動療法とも呼ばれ、カウンセリングを通じて患者が活動記録をつけるなどの課題を消化しながら、自分の症状を客観化して症状を改善していく療法です。
この療法は、自分の考え方の癖に気付いて思考法を修正し、不快な感情を軽減していく手法として広く活用されています。認知行動療法は根気の要る療法で、薬物療法ほど短期間で奏功することは望みにくいですが、副作用がなく安心して取り組めるメリットがあります。それから、運動や作業に集中することにより、不快や憂鬱の感情から解放される時間を作る方法も有効とされています。ウォーキングなどの軽い運動も、気分転換になるだけでなく不快な感情を払拭する作用があると言われているのです。陽が高くなる前に起床して陽光を浴び脳内物質の分泌を促進する方法も、効果が認められています。
うつ病治療で大切なこと
うつ病治療では、薬物療法や行動療法を行えば一定の効果が期待されると言われていますが、最も大切なことは人為的な作為をできるだけ減らして自然治癒を促す方法です。人間には元々自然回復力が備わっているので、その力を最大限生かせるような治療方法が望ましいということです。自然回復力を活性化するには、精神的ダメージにより疲弊した心身を休めることが、最も効果的だと言えるでしょう。何よりも十分な睡眠を取ることが、うつ病治療には不可欠なのです。しかしながら、うつ病患者にとって、深い睡眠を取ることは容易ではありません。不眠に悩まされているうつ病患者は非常に多いのです。
そのため、やむを得ずうつ病患者に導眠剤を服用させることもあります。ただし、睡眠を取れれば良いというわけではなく、夜就寝して朝起床するというリズムも大切です。目覚めた後ですぐ朝日を浴びることにより、不快感を抑制する脳内物質が生成されるのです。うつ病患者が取るべき休憩は、睡眠だけではありません。うつ病になると常に負の感情に支配されがちな精神を守ろうと無意識のうちに心が闘っているため、何にもしなくても疲れてしまうのです。したがって、日常生活においても頻繁に休養することが必要です。疲れやすいのは患者が弱いからだと決めつけず、積極的に休養させるようにしましょう。