薬を大量に服用させること

大量の薬を服用しても苦しいだけ!最悪の場合は命の危険も……

うつ病は薬をたくさん飲めば治る病気ではありません。うつの原因となった問題を解消し、心と体に十分な休養を与えることが治療の要です。薬はあくまで症状を改善するためのもの。大量の薬を患者本人に預けたり、本人以外が『早く治してあげなきゃ……』と、大量に服用させたりするのは絶対NGです。大量に服用したからといって治りが早くなるわけではないですし、むしろ体へ悪影響が出る可能性の方が高いです。実際、抗うつ薬の大量摂取(いわゆるオーバードーズ)による事故や自殺は毎年のように起きています。

抗うつ薬の効き目には個人差があり、また服用後すぐ劇的な効果が表れるものでもありません。一般的な薬は、1~2週間飲み続けてやっと効果が表れてくると言われています。しかし、すぐに具合が良くならないと『もしかして薬が効いていないのでは?』と、患者本人も周囲の人も不安になりますよね。そのせいで一回に飲む薬の量を増やし、早く効果を得ようとするケースも考えられます。もちろん、それは間違った治療法です。抗うつ薬にはそれぞれ副作用があるため、大量に飲む(飲ませる)のは患者が苦しむだけ。周囲の人がすべきなのは、患者の症状が改善するまでサポートすることのみです

服用量を増やす判断は担当医に任せよう

抗うつ薬を飲み続けてもうつの症状が改善しない場合は、迷わず担当医へ相談しましょう。より症状や体質に合う薬に変える、服用する薬の量を増やすなどの判断をしてもらえるはずです。決して、患者や周囲の人の自己判断で服用量を増やしてはいけません。反対に、薬が効かないから・副作用が激しいからといって服用を止める(止めさせる)のもタブーです。突然服用を止めると吐き気やふるえ、不眠や悪夢などの症状が表れる可能性があります。

患者が薬の量を増やしたがる原因は、なかなか良くならないことへの焦りが大きいと考えられます。うつの治療には短くても数か月は掛かるため、患者はその間ずっと不安の中にいます。これでは焦るのも仕方ありませんよね。ここで『早く治してまた頑張ろう!』などと励ますのは、かえって患者を焦らせるため逆効果です。患者には「焦らずゆっくり休んでいいこと」「元気になるのをいつまでも待っていること」を伝えてあげてください。つまり、薬で無理矢理治す必要はないことを伝えてあげるのです。そして毎日適量の薬を飲んでいるか、周囲の人が本人に代わってチェックしましょう。目を離した隙に大量の薬を服用されないよう、患者の目が届かない場所へ薬を管理しておくことも大切です。

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